2011 No.84
知的刺激週間スペシャル講義
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知的刺激週間
見識をひろげて自分の未来をみつけよう
今秋、「知的刺激週間」と銘うったスペシャル講義の全3回をとおして、生徒たちは授業とはまた違った刺激を受けました。各回ともに講義終了後の生徒たちの目は輝きに満ちており、広い視野をもって将来の夢の実現にむけてがんばっていきたいと話していました。
見識をひろげて自分の未来をみつけよう
知的刺激週間スペシャル講義 (1)
双方向コミュニケーション
一橋大学法科大学院法学研究科長
村岡啓一教授
11月1日(月)、本校視聴覚教室において一橋大学法科大学院の村岡啓一先生の講義において、双方向コミュニケーションを意識した「白熱教室」が実現しました。参加者は法学部志望者のみならず、理系も含む約80名(中学生も多数)でした。
生徒達は二つの説例から、自分なりの判断を下し、その判断の根拠を発表しました。(言葉として他者に伝えることで自分の考えをさらに深く掘りさげるのが狙いとのことでした)その狙いどおり生徒たちは、他の意見を聞くことで、自分の考えの中に過ちはないかと修正しながら判断を進めていきました。
どの意見が正しく、誰の考えは間違っているという結論はもらえないやり方は答えをもらって自分のあり方を固めるくせのついている生徒には「しっくり」はこないようでしたが、これこそが思考を深める体験なのだと感じたようでした。
そして最後に、このプロセスこそが裁判であり、裁判とは「正義」を見出す場ではなく、「訴訟的真実」を追及する場であるという先生の言葉に納得していました。
学校生活では手っ取り早く「正解」にたどり着くことを求める人が多いのですが、社会には「正解」など無く、互いの意見に耳を傾けながらそれぞれが納得できるような「納得解」を導くしかないとの言葉で締めくくられました。
生徒達も文系・理系を問わず今回の講義で「納得解」を導くための大事な手法を身につけたことと思います。
生徒が作る授業、人間が作る社会
佐々木礼奈(2-B5文理中)
私は「知的刺激週間」という言葉から、机上では学べない、将来に繋げられるようなものを求めて、この講義に参加しました。実際、講義は先生の指導によって生徒たちが意見を盛んに交わすことで作り上げていく形式で、普段接しない生徒たちと意見をぶつけていきながら、多角的視点で考えることができました。私が一番印象に残ったのは、人が犯した罪を人が作った法で、人が裁くということです。すなわち、判決は神が下すものではない。ということです。当たり前のことなのですが、いつもTVで何気なく聞いている有罪・無罪の判決の裏に、人間の営みがあることに気づけて、とても新鮮でした。
見識をひろげて自分の未来をみつけよう
知的刺激週間スペシャル講義 (2)
宇宙を使う・学ぶ・遊ぶ
慶應義塾大学システムデザインマネジメント研究科
神武直彦先生
11月4日(木)、本校視聴覚室において慶應義塾大学システムデザインマネジメント研究科の神武直彦先生をお招きして、「宇宙を使う・学ぶ・遊ぶ」と題して「宇宙開発の現状とそこに携わる人々の想い」についてご講演いただきました
神武先生はこれまでさまざまな宇宙開発の現場に携わってこられました。宇宙開発事業団(NASDA)ではH-IIAロケット搭載機器の研究開発やロケット打ち上げに従事し、その後は欧州宇宙機関(ESA)訪問研究員を経て、宇宙航空研究開発機構(JAXA)主任開発員として国際宇宙ステーションや人工衛星に搭載するソフトウエアの独立検証・有効性確認の統括および宇宙機搭載ソフトウエアに関するアメリカ航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関との国際連携にも携わってこられました。
神武先生のお話しなさる内容はすべてが実体験に裏打ちされたものであり、さらに通常見ることができない画像や映像を使いながら宇宙開発の意義や本質を説明してくださいました。そして、生徒たちはあっという間に「神武先生の宇宙」に吸い込まれていきました。
今回は講演中にもかかわらず生徒たちの質問が止まることがありませんでした。その質問のなかに「宇宙航空研究開発機構やアメリカ航空宇宙局に所属するためにはどうすればよいのか」というものがありました。神武先生は「宇宙開発に携わるには理系や文系、男女にはあまり関係がありません。『ひとつのスペシャルな技能』と『異文化間でのコミュニケーション能力』が大切です。語学力も重要だけれど、その前にまず自分には何ができて、何が得意なのかを知ること、そして、言語や文化の異なる人たちともプロジェクトを組んでやっていけるだけの包容力があることが大切です」とおっしゃっていました。
今回のお話で生徒たちは1つの仕事に対して多くの分野の人間がかかわっていることを知り、視野を広げて物事を捕らえること、そして、自分自身についてしっかり理解することの大切さを知りました。
講演後、神武先生のまわりには生徒たちが列を作り、矢継ぎ早に質問をしていました。
宇宙へつなぐ
矢島義之(1-B2文理中)
講演は最先端の宇宙開発技術に関するものでとても興味深く聴くことができました。さらに講演後には、自分達が科学部の活動でモデルロケットを打ち上げていることを神武先生に伝え、何か技術的なアドバイスを頂けないか伺ったところ、時間が無いにもかかわらず熱心に話を聞いてくれました。後日、メールでJAXAの講演会の日程を教えて頂くこともできました。これからも定期的に神武先生と連絡を取り、ご指導いただこうと考えています。この講演を聴けて本当に良かったと思いました。
見識をひろげて自分の未来をみつけよう
知的刺激週間スペシャル講義 (3)
予測の時代の科学
理化学研究所 次世代スーパーコンピュータ開発実施本部 副本部長
茅 幸二先生
知的刺激週間の最終講義として11月5日(金)、本校視聴覚室において理化学研究所 次世代スーパーコンピュータ開発実施本部・副本部長 茅幸二先生をお招きして、「世界一を狙う次世代スーパーコンピュータ開発」の現状をご講演いただきました。
茅先生からはテーマである「予測の時代の科学」という言葉どおり、スーパーコンピュータが単に計算処理のスピードを上げるために開発されているのではないということや、国家的プロジェクトとしてさまざまな分野との融合が模索されているということを教えていただきました。特に生命科学の分野では、スーパーコンピュータを利用し、発展を続けていくと人工的に「生命」を作り出すことができるということや、さらにはコンピュータが生命を管理するようになってしまう可能性があるというお話でした。これには生徒たちも驚きを隠せない様子でした。茅先生のお話はさらに続き、「だからこそ今後最も重要になるのは最新技術を活用する人間の倫理観や想像力だ」とおっしゃっていました。
最後に「若い皆さんには単なる学力向上を求めるだけでなく、自分が好きで本気になれるものを追求し、それを人の役に立てるようにしてほしい」とのお言葉をいただき、生徒たちも「自分には何が出来るのか」と自身を振り返っているようでした。
道具から夢へ
朱 眞明(1-A2東村山第三中)
講演会を受ける前は、スーパーコンピュータについて、ただ単に膨大な量を計算する道具だと思っていました。しかし、講演会を通してあらゆる分野に活躍するものだと知りました。最小単位である素粒子から巨大な宇宙の幅広いものを解明したり、生物の持つ遺伝子の解明、さらに遺伝子に合った薬をつくりだすのにも使われるのです。そんなスーパーコンピュータに、さまざまな発見を導く大きな可能性を感じ、ものすごいものだと感心しました。
そして、講演会でもう一つ印象に残ったものがあります。それは「夢は大きく」というメッセージです。僕は夢というものは、大きくすることはできるのですが、大きな夢を持つには、それなりの実力がなければ持つこと自体が恥ずかしいことだと思っていて、今まで分相応の夢しか持ちませんでした。しかし、今回の講演会では大きな夢を持って、それを追求し、努力をし、実現できると信じていれば実現することは可能だと話してくれました。僕はそれを聞き、自分の大きな夢を持つ大きな自信につながりました。
この講演で、自分の将来のイメージがつかめ、理系の学問に対する関心がより深まりました。
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